心が動く音楽や言葉、テーマからインスピレーションを得て、デジタルで作品を制作されているなっきーさん。ものづくりが好きだった学生時代から、デジタル制作を始めたきっかけ、展示という活動へと踏み出した想いについて伺いました。なっきー北海道道南出身。子どもの頃から絵やものづくりが好きで、高校ではアニメ部に所属。進学とともに創作からは一度離れました。その後、就職・結婚を経て滋賀県へ。日々を過ごす中で出会ったシンガーソングライターの音楽表現に心を動かされ、「自分らしい表現で誰かの心に残る作品をつくりたい」と思うようになりました。末っ子の入園を機にグラフィックデザインの学習を開始し、それをきっかけにデジタルイラストの制作を始めました。現在は、静けさや余白を大切にしながら、“ありそうで存在しない世界”をテーマに制作しています。見る人の心にそっと残るような作品を目指しています。漫画家になりたかった少女時代アート活動をはじめたきっかけを教えてください小さな頃から絵を描くのが好きで、小学生の頃は大好きなマンガがあり、漫画家になりたいなと思っていました。週刊誌で連載されていたので、発売日に走って買いに行っていた記憶があります(笑)好きが高じて高校生の時にはアニメ部に所属していました。学園祭で販売したり、紙芝居形式でオリジナルの話を考えて声を当てたりしていましたけど、卒業と同時に絵は描かなくなっていました。心の奥底に眠る「絵を描きたい」という想い進学して、就職して、結婚・出産を経て、特に大きな病気もすることなく過ごしていた中で、初めて体調を崩したことがあって、その時に走馬灯のように自分の人生を振り返る時間があったんです。ちょっと悲観的にもなっていて、やり残したことや自分が好きなことって何だろうと考えた時に、「あ、絵を描きたいな」と思ったのがきっかけですね。そのタイミングで出会ったシンガーソングライターの音楽表現に心を動かされ、歌っている姿に共感し、「自分も好きなことをやりたい」と強く感じるようになりました。ライブ配信で新曲を聴いたとき、音の響きや歌詞の雰囲気から、ぼんやりとイメージが浮かんだんです。その出会いをきっかけに、自分の中にあった感覚やイメージに気づくことができ、今の表現へと繋がっているように感じています。自分の表現と向き合うきっかけをもらえたことに、感謝しています。音楽以外にも絵を描くときにインスピレーションを受けたりしますか?音楽だけでなく、目から入った情報も混ざって、頭の中でパズルのように組み合わさっていくイメージです。ことわざや漢詩など、普段から色々と言葉やイメージをストックしています。頭の中の情報が整理されるので、ChatGPTにもよく相談してます(笑)対話を重ねながら自分の中に溜まった考えや思いを組み立てていく感じです。デジタルアートで叶える「自分にしかできない表現」なぜデジタルアートだったんですか?グラフィックデザインを仕事にしたいと思って勉強を始めた時に、デジタルアートに触れるようになりました。小さな依頼などをもらってバナー制作などをする中で、フリー素材での制作に限界を感じるようになったんです。ある素材で試行錯誤するより自分で描いた方が早いなと思って、そこから自分だけの世界観を詰め込んだ100%オリジナルの制作が始まりました。性格的にもオリジナルのものが好きなんだと思いますね。たとえば、シール交換が流行ってるから子どもにも面白いもの作ってあげるよ、と言ってチラシの商品の写真を両面テープを使って手作りのシールにしたり。流行りの「ぷっくり」とかではないんですけど(笑)あとはコープきんき20周年の《みんなの水族館》というテーマ企画があって、子どもたちが好きな海の生き物を描いて応募しました。パッケージイラストとして採用されてとても嬉しかったです。コープきんきパッケージイラストに応募し、選ばれた作品はじめはInstagramに作品を投稿されてたんですよね?本格的にアート制作に取り掛かったのは昨年6月なんですが、最初は人物を描いてInstagramに投稿していました。次に風景画を描くようになってたんですが、何となくしっくりこないなと感じて”月”を加えてみたら、これだと思えるものができるようになったんです。なっきーさんの作品に登場する印象的な月のモチーフ誕生日に踏み出した「新たな一歩」。趣味がアート活動に変わった瞬間HACKK TAGの展示にはお誕生日にエントリーいただいたと伺いました!そうなんです(笑)Instagramでの投稿を続けていく中で、もう少し違った場所で作品を見せたいなと思っていたところに、広告が流れてきて「これだ!」と思いました!それまでも他のサービスで”展示してみませんか?”といったDMなどはあったのですが、自分の作品がきちんと選ばれて、必要とされている場所に展示してもらえた方が嬉しいなと感じていました。新たな一歩を踏み出すのは記念日がいいと思って、誕生日に思い切ってHACKK TAGのアカウントを開設して、展示にエントリーしてみました。作品制作を行っていることを友人に話したり、Instagramを見せたりしていた時には、”趣味でやってるんだね”と言われることが多くて、「アート活動」として見られていないなと感じることがあったのですが、HACKK TAGで展示をするようになると周りの目が変わりましたね。HACKK TAGサイトや公式Instagramで自分の名前が掲載されるので、活動履歴があることで「アート活動をしている」と認識してもらえるようになりました。お気に入りの展示場所などありますか?KYOTO STATION GALLERYは直接見に行くことも多いですし、正方形以外のサイズもあるので、トリミングしたくない作品などはこちらにエントリーすることが多いかもしれないです!KYOTO STATION GALLERYでの展示の様子展示エントリーの決め手などありますか?場所というより、テーマで描きたいなと思うことが多いですね。作品ストックもあるのですが、テーマと頭の中でストックしてきたモチーフやイメージがカチッとはまったら、エントリーしてみよう!となります。テーマ自由の展示の場合だと、たとえば音楽を聴いていてふっと思いついた内容で制作したりもします。デジタルで制作しているので、思いついた時にすぐ描けるし、やり直しがきくのもいいなと思っています。他の人からみたらどうでもいいと思うような線なども、気になると修正せずにはいられないですし、そのやり直しをしている時間も楽しいです!これで完成!となるタイミングなどありますか?少し時間をおいて見返した時に、もうやり直す箇所がないかなと思ったタイミングを完成としています。突き詰めるとキリがないので(笑)夜に描くことが多い制作の様子趣味としてのアート、そして次のステップへInstagramだけで活動していた時に比べて、展示することが実績として伝えられるようになったなと思います。アーティストとしての活動が仕事に繋がったり、絵が売れることが一番嬉しいですし、趣味でやってるなと思われる段階から次のステップに進んだ感じがしています。個展をするとなるとハードルが高いなと思いますが、HACKK TAGはデータだけで展示ができるので、一歩踏み出すにはちょうどいいですね。私の作品を必要としてくれる人の手元に届けられたらと思っています。”流行っているから好き”ではなくて、”なんとなく好き”だと思ってくれたら嬉しいですね。また展示をしていく中で、他のアーティストの方と繋がっていくのも楽しいですし、自分の作品が広がっていくのが嬉しいです。HACKK TAGつながりの友達が増えた感覚ですね。最初は私がフォローしてもいいんだろうかとビビってたけど(笑)、最近は気兼ねなくフォローしてます!HACKK TAGにはファンボードというメッセージを送ることのできる機能もありますが、フォロワーさんからコメントが届いたりしましたか?展示をきっかけに作品に対してコメントをもらったことがあるんですが、思いを伝えてくださることがとても嬉しいです。大名古屋ビルヂングでの展示を見てくださったフランス人の旅行客の方からも作品の感想が届きました!偶然目にした作品を気に入ってもらえて、コメントまでいただけて、届いているんだと感じてとても嬉しかったです。HACKK TAG経由で感謝のお返事を送りました。今は翻訳アプリもあるのでコミュニケーションが取れて、遠くの国の方ともやり取りができる時代なんですよね。コメントやリアクションは、自分の作品が誰かの心に触れているのかもしれない、と感じられる瞬間でもあります。私自身は、感じたことを言葉で表現するのがあまり得意ではないので、それを丁寧に伝えてくださる皆さんがすごいなと思っています。私は言葉より、作品に思いを投影している感覚があって、誰かの心に届くラブレターのような気持ちで描いています。だからこそ、その思いが伝わっていたらとても嬉しいですし、コメントをいただけることにも感謝しています。最後に今後チャレンジしたいことなどあれば教えてください作品を増やしたいということと、HACKK TAGでの新しい展示場所に挑戦してみたいと思って、誠品生活日本橋での「桜」 アートコンテストにもエントリーしました!アート活動を始めて周りから”絵が描けて羨ましい”と言われることが多くなったので、「上手く描くことじゃなくて楽しく表現することがいいんだよ」というのを伝えていきたいと思っています。上手く描きたいと思う時期もあったんですが、そんなに上手いかどうかで見られてないことに気づいたんですよね。オリジナルでさえあれば自信を持って表現したらいいと思うようになってより楽しくなりました。これからアート活動や展示をしてみたい方へぜひメッセージを周囲の目は気にせず、とにかく一回やってみたらいいと思います!絵が上手くないから、、、など自分自身で何かしらのブレーキをかけてしまうかもしれないのですが、気にしなくてOKだと思います!「第4回100人のアーティストによる100人のARTノート」参加作品のノートとデジタル展示(なっきーさんとインタビュアー樫岡)HACKK TAGでの展示に参加している他のアーティストさんへのいいねや声掛けなどを積極的に行い、交流を楽しみながらアート活動を続けているなっきーさん。テーマから受けたインスピレーションを核に作品を生み出していく姿からは、力強さと軽やかさを感じました。作品タイトルの付け方も素敵なので、ぜひなっきーさんのアーティストページからいろいろな作品と出会っていただけたらと思います。アーティストページはこちら!